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韓国の国家人権委員会は6日、仁川市弥鄒忽区にある精神医療機関「源病院」の院長を、業務上過失致死や監禁などの疑いで重大犯罪捜査庁に告発したと発表した。仁川警察庁の広域犯罪捜査隊も同日、病院を家宅捜索し、診療記録などの資料を押収した。
人権委の調査では、今年1月から6月にかけて入院患者4人が心停止や呼吸停止の状態で発見され、当日から3日以内に死亡していたことが判明した。患者の安全管理や保護義務を怠ったほか、不当な隔離・身体拘束、通信の自由の侵害があったと判断した。
医療スタッフ不在の夜間に相次ぐ死亡
1月には、保護室に隔離されていた認知症患者が午前1時ごろ、看護助手により心停止・呼吸停止の状態で発見された。当時、病院内には医療スタッフが一人もおらず、死因は外傷性硬膜下出血だった。
知的障害のある患者は、他の患者の食事を取ることを理由に、外から施錠できる病室で325日間、一人で生活させられていた。2月に心停止状態で見つかり、搬送後に死亡した。死因は窒息だった。
3月には統合失調症の患者が午後10時半ごろ、心停止・呼吸停止の状態で発見された。この時も医療スタッフは不在で、患者は約2時間後、消化管出血により死亡した。6月にはアルコール依存症候群の患者がカップ麺を食べている途中に呼吸困難となり搬送され、多臓器不全で死亡した。
長期隔離、夜間には無資格者が対応
人権委は、食事が不十分で、手紙の発送など外部との連絡も制限されているとの申し立てを受け、7月2日に病院を抜き打ちで訪問した。その際、保護室以外の場所や一般病室で患者を拘束していた疑いが浮上し、一部の病室には外側から施錠する装置が取り付けられていた。
同月16日に職権調査を始めたところ、自閉症の患者1人が、他の患者のコーヒーを盗むとの理由で、施錠された病室に200日間隔離されていたことも分かった。精神科専門医の指示や、隔離・拘束の理由を記した記録は残されていなかった。
同病院では毎日午後10時から翌朝7時まで医療スタッフが配置されていなかった。人権委によると、院長はこの時間帯に看護助手や保護士へ患者の隔離・拘束を指示しており、人権委は無資格者による医療行為に当たると判断した。
意思疎通が難しい患者6人が本人の意思による入院、または同意入院として扱われていたほか、同様の形式で入院した患者5人が「同意したことはない」と調査官に説明した。閉鎖病棟8カ所のうち公衆電話があるのは4病棟だけで、携帯電話の所持は禁止され、電話の利用も週1回に制限されていた。
保健所には営業停止などを勧告
人権委は院長について、業務上過失致死、監禁、無資格医療行為の指示、記録保存義務違反などの容疑を適用した。看護助手と保護士も、隔離・拘束の手続きを守らなかったとして告発した。
管轄する弥鄒忽保健所には、医療法に基づく営業停止など必要な行政処分を行うよう勧告した。保健福祉相に対しても、精神医療機関で不当な隔離や拘束が慣行化することを防ぐための措置を求めた。
警察の捜査は、死亡した患者の遺族1人による告訴をきっかけに始まった。6日の家宅捜索には捜査員5人が投入された。警察は、今回の捜索は重大犯罪捜査庁と事前に調整したものではないと説明し、対象や押収資料の具体的な内容は明らかにしていない。
過去3年の処分は是正命令4件
最大野党「共に民主党」の許宗植議員が仁川市から入手した資料によると、弥鄒忽区保健所が2024年以降、源病院に出した是正命令は計4件だった。このうち2件は、専門医や精神保健の専門人材が配置基準を満たしていなかったことが理由だった。
残る2件は、2024会計年度の会計資料を提出しなかったことと、患者による暴力行為の防止を呼びかける掲示物を設置していなかったことによる医療法違反だった。
許議員は、人員基準違反が2度確認され、患者が相次いで死亡する中でも保健所の処分は是正命令にとどまったと指摘。「是正命令だけでは人員不足を解消できなかったことが今回の事件で明らかになった」として、違反を繰り返す精神医療機関には業務停止など実効性のある処分を科せるよう基準を強化すべきだと訴えた。
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