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前立腺の健康維持をうたうサプリメントに使われるノコギリヤシ(ソーパルメット)について、韓国の食品医薬品安全処は、原料の摂取量や服用時の注意事項を示している。健康機能食品は医薬品ではなく、持病がある人や薬を服用している人は、摂取前に医療従事者へ相談する必要がある。
米国南部などに自生、韓国では全量を輸入
ノコギリヤシは学名を「Serenoa repens」といい、ヤシ科に分類される。成長しても高さは約2~3メートルで、米フロリダ州やジョージア州、メキシコの亜熱帯・熱帯地域などに自生する。赤褐色の果実から抽出した成分が健康機能食品の原料として使われる。
韓国では栽培されておらず、流通する原料はすべて輸入品だ。海外では、インド産原料の一部にパーム油やココナツ油などを混ぜ、指標成分である脂肪酸やラウリン酸の含有量を高く見せた事例も確認されている。
韓国で2024年1月以降に輸入されたノコギリヤシ果実抽出物93件を検査したところ、1件が脂肪酸とラウリン酸の含有量不足で不適合となった。韓国当局は、植物油を混ぜた製品の流通を防ぐため、総脂肪酸80%以上、ステロール0.2%以上、ベータシトステロール0.1%以上という品質規格を設けている。2023年2月からは原産地表示も必要になった。
認められた表示は「前立腺の健康維持を助ける可能性」
韓国の食品医薬品安全処が認めている機能性は、「前立腺の健康維持に役立つ可能性がある」というものだ。病気の治療効果を認めたものではない。
ノコギリヤシ果実抽出物の1日摂取量は、ラウリン酸換算で70~115ミリグラムとされ、対象は成人男性に限られる。一方、別に認定された複合原料では1日705ミリグラムとされており、原料や製品によって摂取基準と注意事項が異なるため、表示の確認が欠かせない。
食後に摂取、薬との併用は相談を
吐き気や下痢など消化器系の不調を起こすことがあるため、食後に十分な水とともに摂取することが勧められている。報告された体調不良には、下痢、めまい、頭痛、吐き気のほか、韓国当局の再評価では倦怠感、性欲低下、射精障害、起立性低血圧がある。海外では脳出血、呼吸困難、不眠、疲労なども報告されている。
手術の前後や出血性疾患がある人、抗凝固薬を服用している人は、事前に専門家へ相談する必要がある。ワルファリンのほか、前立腺関連薬のフィナステリドやタムスロシン、ホルモン剤を服用中の場合も同様だ。ただし、医薬品との相互作用については、まだ十分に解明されていない。
韓国当局は、トウキ、クローブ、丹参、ニンニク、ショウガ、イチョウ、朝鮮人参など、血小板凝集に影響する成分と併用すると、出血リスクが高まる可能性があるとしている。手術や歯科治療を控えている人、肝疾患がある人も注意が必要だ。
アレルギーや妊娠・授乳中にも注意
ノコギリヤシや同じヤシ科の植物にアレルギーがある人は摂取を避ける。アレルギー反応として、発疹、じんましん、かゆみ、顔や唇、舌、喉の腫れが出る場合がある。
妊娠中または妊娠を計画している女性には安全でない可能性があり、授乳中についても安全性の資料が十分ではない。複合原料を使った製品では、子どもや妊婦、授乳中の女性に注意を求めている。異常を感じた場合は直ちに摂取を中止し、医療従事者に相談する必要がある。
製品ごとの成分量を確認
韓国で販売される製品はカプセル型が中心で、1回分の内容量は約500~1000ミリグラム。ラウリン酸に加え、オクタコサノール、亜鉛、セレン、マンガン、葉酸、ビタミンB群などを配合した複合製品も多い。海外では液体抽出物や錠剤も販売されている。
カプセル全体の内容量と、機能性の基準となるラウリン酸量は同じではない。製品表示を確認し、正確な診断を受けたうえで利用することが重要だ。ノコギリヤシを過剰に摂取しても、前立腺特異抗原(PSA)検査の数値は変化しないと報告されている。
韓国当局の案内は、健康機能食品が医薬品ほど厳格に規制されていないことにも注意を促している。米食品医薬品局(FDA)も、ノコギリヤシの医薬品としての用途を評価していない。前立腺に関する症状がある場合はサプリメントだけに頼らず、まず医療機関で診断を受けることが求められる。
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