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「みんなが幸せにならなければ」
87歳で亡くなった韓国の俳優、崔仏岩(チェ・ブラム)さんが生前に語った人生観が、死去翌日の30日、KBSの特集ドキュメンタリー「温かい大人、崔仏岩―あなたが道でした」で放送された。
映像は、崔さんが各地の食文化や人々の暮らしを訪ねたKBSの番組「韓国人の食卓」の撮影中、2024年春に収録された。当時、番組を13年間率いていた崔さんは、この番組を「私たちの人生」と表現。自らを「食べ物を紹介するメッセンジャー」と呼び、おいしいものを思い浮かべるだけでも唾液が出て、笑顔になることが幸せだと語った。
人生で大切にしてきた姿勢として挙げたのは「中庸」だった。「あまりに楽しいからといって喜びすぎず、悲しくても悲しみすぎない。ほどよさを保っていくことが、私たちの人生だった」と振り返った。
80歳を過ぎても消えなかった俳優の夢
過去の出演作について「記憶に残る良い場面が多い。もう一度やりたい」と話した崔さん。「夢がなければ死んだも同然。夢はある」と語り、演技で賞を受けることや、世界的に知られることも夢だとして、俳優としての意欲をにじませた。
満開の桜を前に、幸せとは「感じるもの」だと説明。「心に不自由や不安がなければ、それが幸せ。自分だけが幸せになることはできない。みんなが一緒に幸せにならなければ」と語った。撮影後、帰宅途中に夕日を眺めながら「昇ることも、沈むことも感動だ。自然は人間に大きな感動を与えている」と話し、番組の最後には視聴者へ「ご一緒してくださり、本当にありがとうございました。皆さんを愛しています」とあいさつした。
本人の依頼で制作されたMBCドキュメンタリー
MBCも同じ30日、今年5月に放送した全2回のドキュメンタリー「パハ、崔仏岩です」の第1部を再編集して放送した。ドラマ「あなた、そして私」で崔さんの長男役を演じた俳優パク・サンウォンさんが進行を務め、その俳優人生を振り返る作品だ。
この番組は、闘病中だった崔さん本人が制作陣に電話し、自らの人生を整理する番組を作ってほしいと依頼したことがきっかけだった。崔さんも出演する予定だったが、リハビリ治療に専念するよう家族に止められ、実現しなかったという。
演出を担当したMBCのキム・ヒョンギ・プロデューサーはSNSで、崔さんの容体が次第に悪化しているとの知らせが届き、最終的に番組へ出演できなかったと明かした。キム氏はMBC創立60周年特集「ドキュフレックス―田園日記2021」でも崔さんと仕事をしていた。
「捜査班長」「田園日記」で親しまれた顔
本名をチェ・ヨンハンという崔さんは、1964年に韓国国立劇団の端役として俳優活動を始め、翌年に正式な団員となった。1967年にはソウル中央放送、現在のKBSの特別採用タレントとしてテレビに進出した。
1971年から1989年まで放送されたMBCドラマ「捜査班長」のパク・ヨンハン班長役や、長寿ドラマ「田園日記」のキム・ミンジェ役で広く親しまれ、韓国の庶民に寄り添う人物像を長く演じた。
「捜査班長」の前日譚にあたる2024年のドラマ「捜査班長1958」で若き日のパク・ヨンハンを演じた俳優イ・ジェフンさんは、1日に弔問。「崔仏岩先生と一緒に演技した瞬間は、私の俳優人生で最も光栄で、いつまでも記憶に残る思い出だ」と悼んだ。同作への特別出演が、崔さんにとって最後の演技となった。
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